漫画読書感想文集

大好きな漫画や様々なことを思ったままに綴っていけたらと思っています。ネタバレも出てくるかと思いますので、連載中の作品を中心によくよくご注意くださいますよう

HUNTER×HUNTER

やっぱりハンターハンターは大好きな作品の一つです。

ハンター試験まではジャンプによくあるバトルものの漫画だと思いますが、ヨークシン編からの本作は日本漫画史上に残る唯一無二の作品と言えるのではないでしょうか。

 

 

能力の規定化が世界が彩る

幽遊白書が好きだった私としましては「ハンターハンター」の念能力は、仙水編の能力展開を系統分けや訓練方法まで細かくルールを規定したもののように感じます。よくあるジャンプ系の超能力ものでも、その超能力を細かくルール化すると、世界がこれだけ面白く、彩り鮮やかになるのか、と読者として気付くことができました。

だって敵も味方も同じルールの中で念能力を習得していくということが分かっていて、敵と対峙したり事態を切り抜けなければならない中どうすればいいかを考えて能力を開発していくのです。読んでいてこれほど楽しいものはないのではと思います。

 

 

ヨークシン編と蟻編にあるクライマックス

この2つには同じような仕掛けのクライマックスがあります。停電と宮殿突入です。パーティーがしっかりと時間を合わせて、一斉に敵に挑みます。連載当時に読んでいてあれほどハラハラさせられた機会はあまりありません。

この2つのシーンをきっかけにストーリーは一気に決着に向かいました。(蟻編はもうちょい続きますけど。)他の漫画家さんはああいうシーンをどのように捉えているのでしょう。結構、幅広く使えそうなうえに、読者はかなりがっつりと心を掴まれるハイライトだと思います。

 

 

世界はどんどん複雑に

思えばここでも幽遊白書の仙水編が思い出されます。奇妙な家の中での攻防では幽助や飛影は捉えらえてしまうものの、蔵馬が頭脳を生かし活躍します。

ここから冨樫さんの複雑な世界を描くという作風がスタートしたように思います。今の王位継承編はヨークシン編を超える複雑さを呈しています。登場人物も毎回のように増え念能力も増えていっています。

幽遊白書と比較するとゴン=幽助、キルア=飛影、クラピカ=蔵馬、レオリオ=桑原となりますね。王位継承編では頭脳担当のクラピカにめちゃくちゃ輝いてほしいと思っているワタクシであります!

 

 

広げた風呂敷とパワーインフレ

そういった意味で、私の印象では作者の冨樫さんには「広げた風呂敷は回収しないことこそ至高」と考えているような気がします。蟻編がおわったらキルアの親子関係とかやるのかな、と思いましたがそういう展開では無かったですし、逆にこの作品の最終目標だと思われたゴンのお父さんにも案外あっさり会ってしまった。こういう点からも風呂敷の回収を念頭においているような読者の予想に関しては、かなり意図して裏切っていっているような気がします。今の王位継承編も色んな意味でハラハラさせられます。どんどん登場人物が増えるということは色々な風呂敷が回収できないということですよね。(凡人の考えですと)

登場人物の強さも主人公たちの成長に合わせて強くなるのではなく、最初から強い人もいて、ゴン達がその人たちに追いつこうと成長していくのですが、そういう点もわくわくさせられます。ハンターハンターは結局バトル的な強さがよくわからないですよね。能力が多種多様ですし、実際にはちょっとした駆け引きで勝負が分かれることが多いです。当初はめちゃくちゃ強いと思っていた幻影旅団の皆さんは果たして”強い”のでしょうか。今となってはもうよくわからないですね。

トリコみたいに強さを数値化しないことはとっても大事なことのように感じます。強さがインフレしていってしまいますからね。(まあ、でもトリコも大好きだったんですけけど)

 

自分だったら水見式やったら何系だったかな、とか考えますかね。私はとりあえず強化系ではないかな〜。