シドニアの騎士1〜3巻
今までは完結している作品については全巻を読んでから感想を書いていましたが(というか以前に読んでいたものを書いていました)、これからは現在進行形で読んだ時点での感想も書いていこうと思います。
「シドニアの騎士」は以前に紹介しました「BLAME!」の作者、弐瓶勉さんの作品です。弐瓶さんの今のところの一番の長期連載作品みたいですね。3巻まで読みました。
奇居子(ガウナ)と呼ばれる地球外生命体に襲われた人類は地球を破壊され宇宙船でのみ生きながらえている状態となりました。奇居子はその後もたびたび人類(つまりは宇宙船)を襲います。
SF作家はみな人類を襲う地球外生命体が好き
本作を読んで改めて思うのは、SF作品には地球が未知の生命体(?)によって攻め込まれる話しが本当に多いということです。web版のジャンプである「ジャンプ+」でも今現在、2作品がこのような展開です。そのうちの1つはとっても好きな作品なのでいずれ紹介させていただきます。
地球側・防衛側は若者が機械ロボットを操縦し応戦するパターンが多いです。ただ「ジャンプ+」の1作品(私の好きな方)は若者がロボットを操縦しない代わりにAIが応戦します。これはかなり現実路線ですね。「EDEN」に出てくる科学技術に近い印象があります。
逆に地球攻め込まれ作品の代表である「新世紀エヴァンゲリオン」などは今現在からはかなり遠いところにある科学技術を使用している印象です。でも「EDEN」の作者、遠藤浩輝さんは確か「EDEN」の単行本の巻末で「エヴァンゲリオンにやりたい事をすべてやられた」と書いていたと記憶しています。やっぱりエヴァってすごいんですね。
「シドニアの騎士」は、たしかに若者がロボットを操縦するのですが、3巻までの内容ではあまり人間とロボットの繋がりが描かれておらず、どういうロボットなのかまだよくわかりません。それでも出てくる科学技術の内容から考えると、作品自体は「エヴァ」タイプに入ると思います。
それと、攻撃する側はなぜ人類を攻撃するのか。これについても作品によって違いはあるかもしれませんが、どれも説明が曖昧なような気がします。でもこの部分ってかなり重要ですよね。
本作では4巻以降である程度説明がなされると嬉しいなと思っています。
宇宙を彩る恋愛要素
ここまで読んでいただいてうっすら気付いたかもしれませんが、私は「エヴァ」タイプのものはあまり好きではありません。それでも「シドニアの騎士」を楽しく読んでいるのは、結構作中に恋愛要素が出てくるからかもしれません。その恋心が地球防衛作戦にも影響を及ぼしていきます。
ここでは説明は省きますが、2巻の中で主人公と女の子とのすごく素敵なシーンがありました。よく思いつくな、という。そして、この1件が後々にも関わってきそうな気がしています。こういった恋愛要素が本作を”特別な存在”にしている一つの要因な気がします。
また絵に関しても「BLAME!」より数段うまくなっています。(まあ「BLAME!」の頃の絵も好きっちゃ好きでしたが。)私はミュシャやイラストレーターの中村佑介さんのような平面的な絵が好きなのですが、ちょっとそれに近いような絵になりました。
この先も楽しみ。